「現場から出た廃材を、自社のトラックで処分場まで運びたい」——。

建設会社や解体業の方から、いちばん多くいただくご相談です。結論から言えば、他人の産業廃棄物を運賃をもらって運ぶなら、産業廃棄物収集運搬業の許可が要ります。そして、この許可を持たずに運べば、罰則は重い。懲役や、1,000万円以下の罰金まであり得ます。

とはいえ、構えなくて大丈夫。要件さえ押さえれば、取れる許可です。産廃許可を専門に扱う行政書士の立場から、「何が必要で」「いくらかかって」「どれくらいで取れるのか」を、順を追って整理します。

📅 本記事は2026年11月時点の情報です。受講料や運用は年度・自治体で変わるため、申請前に最新情報をご確認ください。

そもそも「産業廃棄物」とは何か

そもそも「産業廃棄物」とは何か

廃棄物は、大きく一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。

一般廃棄物は、産業廃棄物以外のもの。家庭ごみなどがこれにあたり、収集運搬・処分は各市町村が担います。

対して産業廃棄物は、次の2つを両方満たすものです。

  1. 事業活動に伴って生じたものであること
  2. 法律で定められた20種類に該当すること

片方だけでは産業廃棄物になりません。たとえば事業活動で出たものでも、20種類に当てはまらなければ事業系一般廃棄物。逆に20種類に該当する物質でも、家庭から出れば一般廃棄物です。

産業廃棄物の20種類

法律(廃棄物処理法)が定める産業廃棄物は、次の20種類。一部は業種が限定されています。

#種類具体例・ポイント
1燃え殻焼却残灰、石炭がらなど
2汚泥工場排水処理や製造工程から出る泥状のもの
3廃油潤滑油・洗浄用油など不要になった油
4廃酸酸性の廃液
5廃アルカリアルカリ性の廃液
6廃プラスチック類合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど
7紙くず建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、製紙・製本業などの特定業種
8木くず建設業、木材・パレット製造業などの特定業種
9繊維くず建設業、繊維工業などの特定業種
10動植物性残さ食料品・医薬品・香料製造業で原料として使った動植物の固形状不要物
11動物系固形不要物と畜場・食鳥処理場で生じた固形状の不要物
12ゴムくず天然ゴムくず
13金属くず鉄、銅などの金属くず
14ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くずガラスくず、耐火れんがくず、陶磁器くずなど
15鉱さい製鉄所の炉の残さいなど
16がれき類工作物の新築・改築・除去に伴うコンクリート破片など
17ばいじん工場の排ガスを処理して集めたばいじん(ダスト)
18動物のふん尿畜産農業から排出されるもの
19動物の死体畜産農業から排出されるもの
20上記を処分するために処理したもの(いわゆる13号廃棄物)1〜19を処理した結果生じ、どれにも当てはまらないもの。コンクリート固形化物など

💡 建設業の方が特に関係するのは、がれき類・廃プラスチック類・木くず・金属くず・紙くず・繊維くずあたり。解体や新築に伴って出るものが多く、7〜9と16は「建設系」で覚えておくと実務で迷いません。

産業廃棄物と「特別管理産業廃棄物」

産業廃棄物は、通常の産業廃棄物と、特別管理産業廃棄物(爆発性・毒性・感染性など、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがある危険なもの)に分かれます。

通常の建設会社様が特別管理産業廃棄物の許可まで取るケースは、そう多くありません。ただ、産廃をメインに扱う会社様の代行では、特別管理産業廃棄物の許可取得をお手伝いすることもあります。自社の扱う廃棄物がどちらに当たるか、判断に迷ったらご相談ください。

「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になるのはどんなとき?

「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になるのはどんなとき?

ポイントは、他人の産業廃棄物を、業として運ぶかどうか。

  • 排出事業者(元請など)から委託を受けて、産廃を処分場まで運ぶ → 許可が必要
  • 下請けとして、現場で出た産廃の運搬を請け負う → 許可が必要

いっぽう、自社の事業活動で自ら出した産廃を、自社で運ぶ「自社運搬」は、原則この許可が不要です(ただしマニフェストや運搬基準などのルールは別途あり)。

「うちは自社運搬のつもりだったが、実態は他社の廃棄物も運んでいた」——このズレが、後々のトラブルのもと。線引きが曖昧なら、早めに確認しておくのが安全です。

【最重要】許可は「積む場所」と「おろす場所」の都道府県ごとに必要

ここが、いちばん誤解されるところ。

許可は、廃棄物を積む場所(積込地)とおろす場所(荷下ろし地)の、それぞれの都道府県・政令市ごとに必要です。会社の所在地は関係ありません。

たとえば、埼玉県の現場で積んで、東京都の処分場でおろすなら、埼玉県と東京都、両方の許可が要る。通過するだけの県は不要ですが、積む・おろすに関わる自治体はすべて対象です。

そして、許可が下りるまでおおむね2〜3か月(標準処理期間は自治体により異なります)。「来月から仕事があるから、今月取ろう」は、残念ながら間に合いません。

だからこそ——仕事が入りそうな都道府県の許可は、前もって取っておく。これが現場を止めないコツです。

産業廃棄物収集運搬業許可の「7つの要件」

申請には、クリアすべき要件があります。順に見ていきましょう。ご自身での申請も可能ですが、書類集めと自治体ごとのローカルルールで、想像以上に時間と手間がかかります。

1. 運搬車両の確保 廃棄物が飛散・流出しない構造の車両。車両の写真などが必要です。

2. 運搬車両の保管場所の確保 車両を停めておく駐車場所。使用権原(自己所有か賃貸か)も示します。

3. 運搬施設が適切であること 廃棄物の性状に応じて、飛散・流出・悪臭が漏れない運搬容器・設備であること。

4. 事業計画が適切であること 取り扱う廃棄物の種類、収集運搬の方法、想定量などが、現実的で適切に計画されていること。

5. 経理的基礎を有していること 事業を的確かつ継続的に行えるだけの財産的基礎。直近3期の決算で、累積赤字や債務超過がないかが問われます。 → 赤字でも、別途指定された書類(中小企業診断士の診断書など)を提出すれば取れるケースがあります。審査基準は都道府県ごとにまちまちなので、ここは個別判断です。

6. 講習会の修了証 〈公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)〉の講習会を修了していること。詳しくは次章で解説します。 🔗 JWセンター公式サイト

7. 欠格事由に該当しないこと 法人の役員・個人事業主が、廃棄物処理法に定める欠格事由(一定の前科、暴力団関係など)に該当しないこと。 → 都道府県によっては、登記簿(登記されていないことの証明書等)での確認を求められます。このあたりの書類手配もお任せください。

この7つが、ひとつでも欠けると許可は下りません。 逆に言えば、すべて揃えれば取れる。揃え方が分からない、集める時間がない——そこを埋めるのが行政書士の仕事です。

講習会(JWセンター)の費用・形式・流れ

要件6の講習会について、つまずきやすいので詳しく。

実施団体は〈公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)〉。新規許可なら「産業廃棄物の収集・運搬課程(新規)」を受講します。

受講料(2026年度/令和8年度・収集運搬課程・新規・税込)

形式受講料
オンライン形式27,500円
対面形式33,000円

※更新時の「収集・運搬課程(更新)」は、オンライン17,600円/対面22,000円(いずれも税込)。受講料は年度で改定されるため、申込前にJWセンターHPで最新額をご確認ください。

2つの受講形式

  • オンライン形式:自宅や会社で講義動画を視聴し、後日、試験会場で修了試験を受ける2段階方式。動画視聴はできても、試験は会場で受ける点に注意。
  • 対面形式:会場で講義を受け、その場で修了試験。

受講から修了証まで

  1. JWセンターのサイトからWeb申込(郵送申込は不可)。顔写真データが必要
  2. 講義を受講(新規の収集運搬課程は5科目・12時間程度)
  3. 修了試験に合格
  4. 約3週間後、修了証が簡易書留で届く

✅ 段取りのコツ:講習会は年度始めに日程が埋まりがち。「講習会の予約 → 修了証 → 申請」の順で逆算し、早めに予約枠を押さえてください。許可申請の準備を始めてから講習会を探すと、まず間に合いません。

なお、修了証の有効期限の扱いは自治体で差が出ます。申請先の運用を事前に確認しておくと安心です。

無許可で運ぶと、どうなるのか

「許可を取る前に、少しだけ運んでしまった」——これは、軽く見てはいけません。

産業廃棄物を無許可で収集運搬する行為は、廃棄物処理法上の無許可営業。罰則は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方(法人はさらに重く、3億円以下の罰金)。

しかも、罰せられるのは運んだ側だけではありません。無許可業者と知りながら委託した排出事業者も、同じ重さで処罰され得ます。だからこそ、元請・ゼネコンはコンプライアンスを厳しく見ており、「許可を持っていない」だけで取引の土俵に上がれないことも増えています。

許可は、罰則を避けるための守りであると同時に、仕事を取るための看板でもあるわけです。

🔗 あわせて読みたい:2026年4月の法改正で話題になった「緑ナンバー」との違いは、【2026年4月施行】産廃の「緑ナンバー必須化」は本当か?で整理しています。"運ぶ資格(産廃許可)"と"運び方(緑ナンバー)"は別物です。

「要件は分かった。でも、手続きが面倒」という方へ

ここまで読んで、こう思われたのではないでしょうか。「取るべきなのは分かった。でも、集める書類が多すぎる」と。

そのとおりです。住民票、登記されていないことの証明書、納税証明書、決算書類、車両・駐車場所の資料、講習会の予約と受講、そして自治体ごとに微妙に違う様式とローカルルール。複数の都道府県で取るなら、その数だけ手続きが増えます。

行政書士は、まさにその"面倒"を引き受けて、事業主様の時間をつくる仕事です。

産業廃棄物免許申請センター(YAS行政書士事務所)にお任せいただくと

  • 書類の代理取得:役所をまわって集める手間が、ほぼゼロに
  • 全国47都道府県に対応:複数エリアの許可も、まとめて段取り
  • 講習会・スケジュールの逆算管理:予約枠の確保から申請まで、現場に間に合うよう調整
  • 欠格事由・経理的基礎の事前チェック:「申請したのに通らない」を未然に防ぐ
  • 取得後のフォロー:5年ごとの更新時期もご案内

「何から手をつければいいか分からない」——その状態からで大丈夫です。現状をうかがい、必要な手続きだけを最短ルートでご案内します。

📞 お電話でのご相談(通話無料):0120-114-908

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まずはお気軽に。御社の状況に合わせて、取るべき許可と段取りをご案内します。

よくある質問

Q. 自分で申請することもできますか? A. できます。ただし書類集めと自治体ごとの様式対応に、相当の時間と手間がかかります。「本業の時間を削りたくない」方は、代行をご検討ください。

Q. 赤字決算でも許可は取れますか? A. 取れる場合があります。経理的基礎の審査では、別途指定された書類の提出で補えることがあり、基準は都道府県ごとに異なります。個別にご相談ください。

Q. 許可が下りるまで、どれくらいかかりますか? A. おおむね2〜3か月(自治体により標準処理期間が異なります)。講習会の日程も含めると、さらに前倒しの準備が必要です。

Q. どの都道府県の許可を取ればいいですか? A. 廃棄物を「積む場所」と「おろす場所」の都道府県・政令市ごとです。会社の所在地は関係ありません。仕事が入りそうなエリアは、あらかじめ取得をおすすめします。

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